アンケート1位の「政宗×♀幸村」連載です
・狂愛
・オリキャラ(?)語り
・捏造

以上がバッチコイな方はスクロールお願いします















…ちりん…


「御方様、夕餉にございます」

「…ありがとう」


ことり、と夕餉を上座の下に置くと布擦れの音とちりん、と小さい音が簾の奥から聞こえる。

私はこの御方様こと愛(めご)様の身の回り(と言っても食事を運んだりするだけなのですが)の世話を仰せつかって月日が永く経ちます。


部屋を後にし、廊下を歩いているとある御方にお会いしました。
端に寄り、頭を下げていると通りすぎ様に私の前に立ち止まりになりました。


「Hey アンタ、愛の側仕えだろ?様子はどうだった?」

「…お声を聞く限り、ご気分が優れてらっしゃるかと…」

「そうか…」


笑いを含んだ言葉を私の頭上に発した後、その方はご正室の部屋へと歩いて行きました。


この方がこの城の城主、伊達政宗様にあらせられます。

若くしながら奥州を平定し、今や天下に近い一人と称される御方にございます。
そして今の世には珍しく、側室を妾らず正室の御方様に酷くご執心で、毎晩の様にこうして部屋へ通ってらっしゃいます。

御方様に向ける愛情には少々狂気じみたものを感じる事がございますが…


例えば、御方様を見てはならないという規律がございます。
これは単に政宗様が自分以外の者の目に触れさせたくないからというもの。(政宗様の重臣である片倉様や成実(しげざね)様は拝見した事がおありの様ですが。)


そして、御方様の生家や生い立ちなどは一切下々の者には知らされておらず、女で唯一永く伊達家に仕えている私がある日御方様のお世話を命じられたのでございます。

いつも簾越しに影と音と声を耳にするだけ。

お噂によると蒼色が似合うとてもお美しい御方だとか。



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