darkBlack×pureWhite
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連れて来られたのは、大きなお屋敷。
外見からしてリッチな洋風建てで
とても日本のものとは思えない。
…私は、何も知らない。
ここは何処なのか?
今は何月何日なのか?
自分はどうしてここにいるのか?
どうして透けているのか?
ジョットさんやGさんは何者なのか?
ツナ君や綱吉君は何処にいるのか?
…疑問だらけで脳内が破裂しそう。
−−−−−−−−−−
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−−−−−
「落ち着いたか」
『はい…』
部屋には私とジョットさん。
広い応接間の様な部屋に二人きり。
変な汗が出てくるのは気のせいでしょうか。
「全く記憶がないのか?」
『え…あ…』
「…?」
『……私、海に落ちたんです。その時から記憶がなくて…』
私は、あの花火大会での出来事をすべて話した。
ツナ君や綱吉君の事も含めて。
初対面の人にこんなこと話していいのかなって思ったけど……
この人なら受け入れてくれる気がしたの。
「そうか…。大変だったな」
『……』
「一応言うと、ここはイタリアだ」
『!!』
「俺は仲間に日本人がいるから結構日本とは面識が深いが…
今柚葉が話していた程、まだ日本は発展していない」
『はぁ…』
「柚葉は、未来から過去…つまりこの時代に、タイムスリップしてきたことになる」
たいむ…すりっぷ……!?
そんな非化学的なこと漫画でしか見たことないよ……?
それが…
現実に起こったっていうの!?
『信じられない……』
でも身体が透けてる、なんて非化学的なことが既に起こっている以上、その事実を否定することは出来ない。
『どうしたら…元の世界に戻れるんですか?』
「残念ながら、俺にも分からない。…だが…お前の身体が透けているのとタイムスリップについては、何かの関係があるはずだ」
関係………か。
「俺もお前が元の世界に帰れるよう、出来る限り手を貸そう」
『…ありがとうございます』
この世界に来て初めて、私の顔に笑顔が戻った。
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