darkBlack×pureWhite
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最後に綱吉君の声を聞いたあの日から
1ヶ月半がたった。
あのあとも、やっぱり綱吉君は学校に来なかった。
そしてそのまま3学期は終わりを迎え、
春休みに入った。
担任の話によると、なんとか留年はしていないらしいけど……
春休み中もまともに家に帰らなかったらしく、双子であるツナ君でさえ、1ヶ月程会ってないらしい。
今日は4月8日。始業式。
私達は高校2年生になる。
春休み中はツナ君とあまり会えなかったから、朝の待ち合わせがとても新鮮に思えた。
『おはよう、ツナ君っ』
「おはよう柚葉ちゃん!」
いつもどおりの挨拶。
いつもどおりの登校。
そしていつもどおりのツナ君の笑顔。
もし私が綱吉君の方が好きになってしまったら、この“いつもどおり”がなくなっちゃうんだね…。
お互いに春休みの出来事とか話こんでいると、学校に着くまでの時間はあっという間だった。
正門前には、2・3年生の新しいクラス名簿が張り出されていた。
「あー…クラス替えかぁ」
『同じクラスだといいね♪』
人混みを掻き分けて、クラス名簿表に顔を近づける。
A組…………
あった!私の名前!
私はA組かぁ…。
あ、綱吉君も同じクラス…!!
ツナ君は………
………ない………。
「あー…オレC組だ…」
ツナ君とクラスが離れてしまった…。
よりによってA組からC組って…
なにも、学年の両端に離すことないじゃない。
でも…綱吉君と同じクラスなのはちょっと嬉しいかも…。
あぁもう!どっちなのよ、私!!
『離れちゃった……ね』
「うん…。で、でも、登下校とか昼休みは会えるし!」
『そうだよね…。うん!気にしない気にしない!』
私は心の中の葛藤を打ち消して、新しい教室に入った。
もしかしたら、綱吉君が来てるかもしれない!
そんな淡い期待を込めて。
でもやっぱり、今日も綱吉君は来ていなかったんだ……。
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