darkBlack×pureWhite
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なんで家に柚葉が来てるんだよ……!
しかもツナの見舞いとか…。
くそっ
帰るんじゃなかった。
柚葉のこと嫌いになったわけじゃない。
寧ろ、今だって好きだ。
だからこそ………
柚葉とツナが一緒にいるところなんて見たくないんだ。
二人が両想いでも、付き合ってない以上はオレにもチャンスはあると思ってた。
だけど………
付き合ってる二人に、オレが入る余地なんてないじゃん?
オレは逃げるようにいつも飲み歩いてる街にもどり、
その中でも人通りの少ない路地のベンチに腰をおろした。
二日酔いのせいで調子が悪かったこともあってか、オレはそのまま眠ってしまったみたいだ………。
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ふと目が覚めた。
辺りは此処に来た時よりも暗くなっていて
居酒屋やクラブの明かりが綺麗に光っていた。
携帯の画面を見ると、“21:28”と表示されている。
3時間も寝てたのか………。
ベンチを離れ、当てもなく街をブラブラしていると、いつもの飲み仲間に出会った。
男A「ぉ、綱吉じゃん!」
男B「家にはもう帰ったのかー?」
「あぁ。もう帰った。どっか店入ろうか」
男A「おー、いいけどさ。柚葉ちゃんが捜してたぜ?綱吉のこと」
「柚葉が……?」
男B「なんか必死だったけど。いいのか?」
オレが帰った時…追いかけてきたのか?
何故?
………いや。そういう問題じゃない。
「別にいいよ。行こう」
男A「?……あぁ」
柚葉が捜していたって、オレはまだ会えない。
会わす顔がない。
会う勇気がない。
だから学校にも行かない。
いつまで?
それもわからない。
きっと次に柚葉に堂々と会えた時には
たとえツナがいようと、自分の気持ちを伝えられるだろう。
そんな日が来るなんて、今は夢にも思わないけどさ。
オレは微笑して、行きつけの飲み屋に入っていった。
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