darkBlack×pureWhite


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……っ

いない…!ここにも!



家を出たものの、綱吉君の姿はもうなかった。



それでも、道ゆく人に何度も聞きながら探し続けた。



そして辿り着いたのは、
飲み屋やクラブが密集している街だった。



辺りもすっかり暗くなってきて、
そこらじゅうに広がる店の一つ一つに明かりが灯る。





『綱吉君……っ』





そんな街の中を私が探し続けていると、
不意に後ろから声をかけられた。





「ねーねーちょっと君!」



『……??』



振り返ると、2人の男の子が立っていた。
歳は…同い年くらい。



男A「ほら!なーんか君、見覚えあるんだよな〜」



男B「あ、あれじゃね?綱吉が好きって言ってた!」



男A「あぁ!それだそれ!!」



綱吉……って!



『つ、綱吉君の知り合いですか!?』



男A「あぁ。俺達の飲み仲間なんだけどさ〜」



男B「君が柚葉ちゃん?」



『??何故名前を…?』



男A「綱吉が、“好きなやつが出来たから”っつって。話は聞いたぜ」



男B「写メも見せてくれたことあったから、顔知ってたんだ」



しゃ、写メ!?
綱吉君に写メなんて撮られたことないよ?

もしかして……隠し撮り??



私がオドオドしていると、男の子達は急に真剣な表情で、言った。



男A「なぁ…最近綱吉、どうしちまったんだ??」



『…はい?』



男B「柚葉ちゃんのこと好きになってからアイツ、一度も夜遊びとかしなかったんだ」



『一…度も?』



男の子達はコクンとうなづく。



男B「だがここ10日くらい、また夜遊びしだしたんだよ。しかも以前と違って、なんかイライラしてるみたいだし」



男A「俺達が聞いても、何も答えてくれねーんだ。柚葉ちゃん、何か知ってる?」


『……私の……せいかもしれない』



男A「え?」



『綱吉君の…!綱吉君の居場所を知りませんか!?』



男B「綱吉ならさっきまで俺達と飲んでたけど、“一旦帰る”って言ったきり」



それでさっき帰ってきたんだ……!



『行きそうなところとかありません!?』



男A「いや…アイツいろんなとこ行ってるしなぁ。俺達にもさっぱり」



『そうですか…。すみません、ありがとうございました!』



男B「え、ちょっ柚葉ちゃん!?」





考えるより先に、足が動いてた。

この街のどこかに綱吉君がいることを信じて……

私は、夜の街を走りだした。




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