darkBlack×pureWhite
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気がつくと、さっきまで全身に感じていた水の感触が消えていた。
ここはどこだろう……?
目の前には、漆黒の闇に包まれた夜の空が広がっている。
見渡すと、暗くてよく見えないが、そこは森のような光景が広がっていた。
“何故、森?”と思ったが、その考えは直ぐに、
目が覚めたことで、私は助かったのかもしれないという安堵感に変わる。
でも、なにかがおかしい。
身体の感覚がいまだに無いままだ。
無い、というよりは、軽い…、
質量が感じられない、といった方が正しいかもしれない。
何と言うか……
“透けてる”状態だった。
立ち上がり、歩いて見ても、
そこにある土や草を踏み締めている感覚が全くない。
私の周囲を囲んでいる木々は風でザワワ…と
不気味な音を立てているにも関わらず、
私の腕はその風を感じることが出来ない。
……………怖い……。
途端に、安堵感が恐怖心に侵食されはじめる。
ザワワ……
ザワワ…
私の不安感を煽り立てるように、木々のざわめきは増すばかりだった。
私は恐怖心を紛らわすため、その場にしゃがみ込んでうずくまっていた。
人間としてはありえないほど透き通った膝は、
同じ様に透き通った両腕で抱え込んでも、
触れている感覚すらなくて。
余計に不安を増すばかりだった。
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