Sacred Vampire of Crescent.
□Fantasy was true.
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「シド!」
バタアアアアアアアアン!
「レノ?」
インヤンに昼食を謝り夕食を頂き終えた後の紅茶を飲んでいたシドは、レノが大慌てで帰ってきたその様子に驚く。
「あんた、戦えるか、と!」
「…屍鬼がニブルヘイムに出た。我々だけでは手に負えない」
「一人でもいい、戦力が欲しいんだ、と!」
ルードのいまいちな説明とレノの大慌てで大体の推測はできる。
シドは冒険家で、吸血鬼専門になってかなり経つから屍鬼の特徴も解っている。
「
集団でおいでなすった
んだろう?
俺様もこの屋敷にも街にも恩があるんでね、連れてってくれや!」
その言葉を聞いて初めてシドが吸血鬼に詳しいのだと知ったレノは、説明の手間が省けたと安堵し、先頭を走り出す。
ルードとシドが後を追う。
「奴ら、首を切り落とすか頭をつぶすか体をミンチにするかするまで動くから気をつけろよ、と!」
「わかってらい!」
「奴らに噛まれたら確実に仲間入りだぞ、気をつけろ」
「知ってらぁ!」
森を走り抜けながらこんなやり取りをしている。
ダイナマイト20発と槍がいまの装備。
できるだけ遠距離攻撃をしかけたい相手だ。
村がまだ無事で、これでカタがつく量ならいいんだが、とシドは思う。
「奴ら、どんくらいいる?」
聞いて、返事を受けたシドは、軽く後悔した。
「ひいいいいいいいいい!」
「きゃああああああ!」
「ひっ!やめ!ぁぐうっ!」
その夜、ニブルヘイムのいつもの静寂が破られた。
「ぐるるるるるるる…!」
正気を失った、だが見た目は普通の人間、今は唾液をだらしなく垂らし、目がぐるんと大きく上を向いて…瞳が見えるかどうかという位の。
この状態で正直「彼ら」の視力が機能しているかどうかは解らない。
だが「それら」はゆっくりとした動きで確実に「餌」に向かい、捕食する…!
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