短編

□アテナさんトコの聖域の事情 中編
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前回の通り、結局カノンはちっさくなってしまった年少・年中の黄金聖闘士達の面倒を押し付けられてしまった。

正直なところ、小さいのは体だけで心はそのままな彼らの面倒を見るのは、ある意味非常に大変である。

カノンはまた大きな欠伸をすると、双児宮の入り口から大きな足音が聞こえてきた。

サガ「カノーーン!!ミロを見なかったか?!」

サガがリビングにに鼻息荒く入ってきた。
その両脇にはデスマスクとシャカが抱えられている。

カノン「……」

カミュ「…」

アルデバラン「…;」

サガ「む、なんだ?お前たち…そんな顔をして?」

カノン「サガ…なんだその格好は」

サガの今の格好だが、髪は一つにまとめているのは良いとして、動きやすいズボン・エプロン・首には笛
典型的な保育士さんスタイルである。ご丁寧に胸には名札が付いていた。

サガ「アテナが下さったのだ!なんでもこれが日本の子育てスタイルだと!動きやすい上にありがたいぞ!」

カノン「そうか…良かったな」

カノンはもう何も言わなかった。

カミュ「サガ、ミロがどうかしたのか?」

サガ「おぉ!そうだ。ミロが逃げたのだ!平仮名の書き取りの途中だというのに!!」

サガが差し出した恐らくまた沙織が用意したであろうノートに、ミミズがのたくった字が書き込まれている。
ちなみに「ハ」行で終わっていた。

カノン「聖闘士に日本語が必要在るか?しかもミロはギリシャ人だぞ?」

サガ「甘いなカノン!アテナの護衛は日本が多いのだ。日本語が出来るほうが仕事の幅が広がるだろう?」

カミュ「なるほど、たしかにそうかもしれないが…ミロにそれをやらせるのはたいへんそうだな」

小さな腕組みをするカミュ。大人の姿なら決まっていたのかもしれないが、今の姿ではイマイチ決まらない。
むしろ可愛らしく見えてしまう。
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