短編
□アテナさんトコの聖域の事情 中編
2ページ/6ページ
前回の通り、結局カノンはちっさくなってしまった年少・年中の黄金聖闘士達の面倒を押し付けられてしまった。
正直なところ、小さいのは体だけで心はそのままな彼らの面倒を見るのは、ある意味非常に大変である。
カノンはまた大きな欠伸をすると、双児宮の入り口から大きな足音が聞こえてきた。
サガ「カノーーン!!ミロを見なかったか?!」
サガがリビングにに鼻息荒く入ってきた。
その両脇にはデスマスクとシャカが抱えられている。
カノン「……」
カミュ「…」
アルデバラン「…;」
サガ「む、なんだ?お前たち…そんな顔をして?」
カノン「サガ…なんだその格好は」
サガの今の格好だが、髪は一つにまとめているのは良いとして、動きやすいズボン・エプロン・首には笛。
典型的な保育士さんスタイルである。ご丁寧に胸には名札が付いていた。
サガ「アテナが下さったのだ!なんでもこれが日本の子育てスタイルだと!動きやすい上にありがたいぞ!」
カノン「そうか…良かったな」
カノンはもう何も言わなかった。
カミュ「サガ、ミロがどうかしたのか?」
サガ「おぉ!そうだ。ミロが逃げたのだ!平仮名の書き取りの途中だというのに!!」
サガが差し出した恐らくまた沙織が用意したであろうノートに、ミミズがのたくった字が書き込まれている。
ちなみに「ハ」行で終わっていた。
カノン「聖闘士に日本語が必要在るか?しかもミロはギリシャ人だぞ?」
サガ「甘いなカノン!アテナの護衛は日本が多いのだ。日本語が出来るほうが仕事の幅が広がるだろう?」
カミュ「なるほど、たしかにそうかもしれないが…ミロにそれをやらせるのはたいへんそうだな」
小さな腕組みをするカミュ。大人の姿なら決まっていたのかもしれないが、今の姿ではイマイチ決まらない。
むしろ可愛らしく見えてしまう。