小説

□不自然
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不自然 静臨

“おかしい”と思った

だから

“興味本位”で近付いた

こうなるとは

思っていなかったから


「……………………っ」

痛い

「…………シズちゃん…?」

痛い

こんな“痛み”俺は知らない。

「………シズちゃんにこういう趣味があったなんて知らなかったなぁ……」

自動販売機投げつけられたり標識ブン回されたり他にも色々されて痣になったり傷になったりしたけどこんな痛みは知らない。

知りたくもない。

「………………また 黙り?」

知ってる

俺よりも君の方がもっと“痛い”

俺はそれを知っていて解りながらもその『傷』を抉り出す。

「………………シズちゃん 泣かないでよ 俺は大丈夫だから」

抉った場所に毒を塗り付ける

その毒で

苦しめばいい

「…………シズちゃん ……」

俺は意地悪だね

君は自分の気持ちを言えるのにね

“俺”が

言わせたくない

だけなのにね

「臨…也…」

「ん?」

「………悪ぃ … 俺……」

「いいよ」

罪の意識なんて持たなくていい。

君にそんな感情を持って欲しくない。

「約束してよ」

「……何だ」

「俺を殺して」

だから

俺は

君を絶対離さない

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