†ダイの大冒険小説†
□-浄化-華蝶風雪(ダイ大)
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カサ…カサカサ…
「?」
ズルッ……カサ…
何かが擦れるような音がした
風もないのに木々の葉が揺れている
「!?」
座っていた木の根元から腰を浮かし離れようとした瞬間だった
シュルルル…!!
「なっ!!」
手足に絡みつく枝、それに続き蔓や蔦も勢いよく体に巻きついてきたではないか
「フシュゥ…グルル……」
先ほどまで座っていた場所を見ると、そこには人面樹系のモンスターが壁から這い出していた
そいつの蔦に捕らわれたのだと理解すると、魔弓を構え投射する姿勢に入る
しかしウドラーの方が一歩早かった
両の腕は左右に大きく開かれ、闘気のコントロールができなくなってしまった
「くっ…。これでは攻撃が…!」
ギリギリと締め付ける蔦に苦痛を覚え顔が歪む
首に巻きついた蔦が更に力を強め、意識が朦朧としてくる
魔弓を握っていた手から力が抜け、狭い洞窟内にはカララン…と金属の甲高い音が響いた
視界が白くぼやける…
やがてヒュンケルはウドラーの枝に捕らわれたまま意識を手放した