†ダイの大冒険小説†

□CAPTIVATE-裁-(ダイ大)
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「重いだろう?すまん、今退くから…」
するとヒュンケルを抱くラーハルトの腕に力が篭もる
そして優しく抱きしめた

「ラー……」
「お前、また痩せたな?」

以前より幾分肉付きが悪くなったヒュンケルの体をそことなく撫でながらラーハルトは続ける
「このままではお前が先に参ってしまうぞ。頼むからちゃんと食事を取ってくれ」

ヒュンケルは大戦後、あまり食事をしていなかった
急激な体力低下と免疫力の低下で、寝たり起きたりの繰り返しだったからだ
最近になり自力での日常生活ができるようになったというのに、このヒュンケルという男は周りを心配させてばかりいた
もちろんその取り巻きの一人はラーハルトである
「俺の生きがいを奪うな。ダイ様を一刻も探し出し、再び配下の任に就くのも俺の<生きがい>ではあるが、お前とダイ様への<感情の種類>は全くの別物だ。だから早く元気になれ。もう一度言う。共に歩むという生きがいを奪うな」

淡々というラーハルトの言葉をヒュンケルは黙って聞いていた

大戦末期にラーハルトが復活して現れた時には心臓が跳ね上がった
同時に心にしまった彼への思いも、自分の弱さもバレてしまうのではないかと正直焦った
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