†ダイの大冒険小説†

□-戯-(ダイ大)
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「ロン・ベルクにこれをもらった」

ヒュンケルの白い手の中指には煌めく指輪が嵌めてあった
緑色をした宝石が魔力の源らしく、なんともいえない鈍い輝きを放っている
指輪の装飾は至ってシンプルでシルバーの台座に一粒の宝石
デザインはエンゲージリングのように質素でゴツゴツしていない
男性が装着するには若干リングの幅狭さを感じた

「…浮気者め…」
短く、そして唸るような低音域の声はまさに地を這う
ヒュンケルの指にはめられていた物を見てロン・ベルクに殺気と嫉妬を覚えるラーハルト
今すぐ問いただし、時と場合によっては全力で挑む覚悟でいた
怒りで肩から指にかけフルフルと震えがとまらない
相当頭にきたらしい

「事によっては決闘を申し込む!!」
「待て待て待て!!!!お前は何か勘違いしている!!」
長い銀髪を振り乱し、こちらはこちらで必死である
なんたって無実の者が命の危険に晒されているからだ
そう…
ロン・ベルクはそういうつもりでヒュンケルに指輪を渡したのではなかった
ただちょっとした遊び心で作っちゃっただけなのだ
その実験的意味合いも込め、ロンはヒュンケルに指輪を託した

「試作品を作ったというから魔弓を受け取りにいった際もらった」
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