†ダイの大冒険小説†

□CAPTIVATE-裁-(ダイ大)
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その日は朝から雨だった

絶え間なく降る雨は気持ちをも曇天のごとく暗く染める



ヒュンケルたちはロン・ベルクの住処を出てすぐにランカークス村を発った
別れる際、見送りに立ち会ったのはロン・ベルクだった
てっきり愛弟子のほうが見送るのかと思っていたので、その理由が気になったヒュンケルはロン・ベルクに尋ねた

「日頃の疲れが出たようだな。まだ寝ている」

魔族の男はそういった
師がそういうのならばきっとそうなのだろう
弟子をいたわるロン・ベルクに目を配らせ、ヒュンケルは「では行く」と短い挨拶を交わすとキメラの翼を空高く放り投げ、光の筋が彼らを包み、そして見えなくなった

彼らが去った後には爽やかな風が舞う
魔族の男は部屋でまだ寝ているであろう愛弟子を起こしに、ドアをくぐった









チュ…ドォォォオォン!!!!!


「っ……!」
「大丈夫かヒュンケル?」

一筋の光が人気のない高台の草原に落ちた
ヒュンケルたちである
ラーハルトは着地寸前にヒュンケルを横抱きに抱え、バランスを崩して着地した衝撃を和らげていた
であるからして、今の状況に混乱しないわけはない
要するにヒュンケルが<お姫様抱っこ>されていたのだ
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