誘惑蜘蛛 book

□誘惑蜘蛛
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体が、熱い。
目を閉じれば浮かぶのはキレイな金色。まっすぐにこちらを見据える紫色。


中途半端に篭ってしまった熱は行き場をなくして、体の中で轟いて。






「待たせたな」





ほら、理事長の声を聞いただけで溢れ出す。
制御の効かない、熱。
わたしはいつからこんな風になってしまったんだろう。


自分でも信じられないけれど、それでもこの疼きは確かにわたしの体を支配して。





「そんな顔して待ってたのか」


「わたし、どんな顔してるんですか、」


「ここで犯されても文句言えねぇ顔だな」







がたん、と、ドアが閉まるのと同時に、理事長に抱きしめられる。
ふわりと香る理事長の香りに、頭がくらくらして。
わたし、どんな顔をしてるんだろう。
前にも言われたけれど、わたしには自分がわからないまま。
わたしはそんなに変わってしまったのだろうか。


きっと、わたしより彼らの方がそれを知っていて。










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