誘惑蜘蛛 book

□誘惑蜘蛛
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「名無しさん、タオル持ったのー?」

「持ったよー!行ってきますっ!」


「いってらっしゃい。」















靴を引っ掛けて。
玄関を、慌ただしく出て行く。



あの時の私は、バレーがダイスキで、ダイスキで。


休みになる度、意気揚々と家を出たのを、今でも覚えてる。









後ろを振り向けば。
お母さんが、微笑んでいて。



お父さんは、手を振っていて。










当たり前にあるその光景が。


幸せだった、と気付くには、私は世界を知らな過ぎた。



























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