誘惑蜘蛛 book

□誘惑蜘蛛
1ページ/4ページ








悟浄先生と理事長がいなくなって。
静かになった部屋にひとり。



ふたりが気になって、いたたまれなかったけどわたしにはどうすることもできなくて。


電話しようと思っては、ためらってやめる。
なんて話したらいいんだろう。


言わなきゃいけないことはあるはずなのに、わたしは話せないまま。









ソファーに座って、膝に顔を埋める。


わたしを支えてくれたひとたち。
浮かんでは消えて、どうしようもなく焦燥にかられて。







「ごめ、ん、なさい、」







あの時わたしが制止していれば。
何か変わっていただろうか。




















次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ