誘惑蜘蛛 book
□誘惑蜘蛛
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「ってことで、俺だけ知ってるのはフェアじゃないから、伝えたぞ」
「テメェ、殺すぞ」
「そうなると思った、けどこれだけは譲れねぇから」
名無しさんの部屋を出て、三蔵に電話する。
名無しさんと関係を持ったことはこのまま隠しておいてもいずれはバレること。
それ以前に真っ向から向き合わなきゃ、三蔵には勝てねぇから。
事実をそのまま伝えれば、案の定死刑宣告。
こいつなら本当に殺りかねねぇがこれだけは何がなんでも譲れない。
「チッ」
盛大な舌打ちが聞こえて、電話が切れる。
まぁ、伝えたいことは伝えたから。
「さて、どうなるかな」
きっとこの関係は。
世間に許されるものじゃないけど。
それでもあいつを守りたかったんだ、誰でもない、自分が
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