お題:命令・甘い罠10のお題★

□03、目を開けて(2年生6月)★
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命令・甘い罠10のお題(3)   配布元:BLUE100Titles
目を開けて

 託生を抱いてから、初めての土曜日。
 その日一日、あきらかにオレを意識してくれた託生をオレは抱いた。
 託生の中に深く身を沈めて、ゆっくりと昇り詰めていく。
 託生の反応に注意しながら。
 わだかまりが解けたからといって、体に染み込んだ反応はそうそうなくなるものではないだろう。
 案の定、しばらくすると託生は唇を噛んで喘ぎを噛み殺し、枕やシーツを握りしめて自分の反応を隠そうとしはじめた。
 オレは動きを止めて、いつでも口づけできる距離まで覆いかぶさり、
「託生…託生…、目を開けて…」
 オレの言葉にうっすらと目を開ける託生。
「託生、オレが誰だか判るか?」
 体の反応から逃げていた託生がゆっくりと戻ってくる。
 虚ろだった託生の目に光が戻ると
「…ギイ…」
「託生、オレとナニシテるか、ちゃんと解ってるか? おまえ」
「…え…? …あ」
 自分の状況に真っ赤になる託生。
 今の託生は、ひざ裏をオレの肘で大きく開かされ、その手に指を絡められてベッドに縫い止められているせいで、浮き上がった腰の中心にオレを深く受け入れているという非常に恥ずかしい格好で。
「な? おまえとシテるのはオレだろ? だから逃げなくていいから。全部感じていいから。恐くなったら目を開けてオレを見るんだ。オレを全部やるから、託生を全部オレに預けてくれ」
 目を合わせたまま頷く託生に、オレはまたゆっくりと動き出す。
 うねるように腰を使ってやると、のけ反った託生がまぶたを閉じてオレの与える快楽を追い始める。
 鼻にかかった甘い喘ぎを抑えようとする託生に
「託生、声、殺さなくていい。聞かせてくれよ、オレに。それとも、声、我慢できないようにしてやろうか?」
 見つけておいたポイントを深くゆっくりと刺激してやると、託生の声がオクターブ上がり、奏で始められるメロディーに今度はオレが酔わされていく。
 託生から零れる甘い旋律にいつまでもひたっていたくて、何度も焦らしてやるとついに託生から解放を懇願され、オレはよくできました、とばかりに託生を追い上げてやる。
 そして、二人でしか到達できない白い闇に共に堕ちて行った――。

END

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