お題:学園萌50のお題(1)
□04、メール:託生(3年生9月)
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学園萌50のお題(4) 配布元:BLUE100Titles
メール
内ポケットに軽い衝撃。
ぼくは教室を後にトイレへと向かう。
個室に入ったぼくは制服の内ポケットから、所持がバレてはいけないのに携帯を義務付けられているそれを取り出し、フリップを開いた。
画面にはメールが着信していることを示すマークがひとつ。
確認するまでもなく、差し出し主はギイだ。
メールを開くと、
『今夜は夕飯、一緒に食べよう。
根まわしその他は手配済みだから、片倉あたりに誘われても断れよ。』
添付された絵文字にくすくす笑いつつ、返信する。
『ご予約承りました。
ギイこそ、一年生になんて捕まらないでよ。』
すると、個室の外から聞き覚えのあるメロディーが聞こえてきて
「…え!?」
同時にノックされる個室のドア。
思わず開けてしまったぼくに、
「メールもいいけど、やっぱりホンモノの方がいいだろ?」
言葉とともに個室に入ってきてしまったギイが、鍵をかけてしまう。
「夕飯まで待てなかったから、少しだけ託生を補充させて」
抱きしめられて耳元でささやかれてしまえば、ぼくは抵抗できなくて。
だって、ぼくもギイが足りなかったから。
「…じゃあ、今夜はたっぷり補充させてくれる?」
ぼくの言葉に驚いたギイが、でも嬉しそうに
「仰せのままに。もう要らないってほど、充填してやるよ。その時になって逃げるなよ」
「…うん、ギイ…」
残り少ない休み時間、ぼくらは互いを少しだけ補充した。
END