お題:学園萌50のお題(1)

□02、先生:ギイ(4月)
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学園萌50のお題(2)   配布元:BLUE100Titles
先生

◆一年時
「…なあ、崎」
「なんですか、先生」
「どうにかならんもんかなぁ」
「なにがですか」
「…うちのクラスだよ」
「……」
「崎の努力は認めるんだがなぁ」
「…もう少し様子を見たらどうかとは思ってますけど。葉山のアレは先天的なものじゃないみたいですし、もしかして慣れてきたら、治るかもしれないし…」
 …というより、オレが治してやりたい。
 オレを見て欲しいし、オレの名前を呼んで欲しい。
 ――クラスメイトとしてでもいいから。
 担任のため息より、オレのため息の方が重かった。


◆二年時
「…なあ、崎」
「なんだよ、松本」
「どうにかならんもんか?」
「なにがだよ」
「…うちのクラスだよ」
「…何か問題あるか?」
「おまえ、もう少し自粛してくれよ」
「なにをだよ」
「どう見ても、葉山が困っているようにしか見えんのだが…」
「もう少し様子を見てろって。託生はまだ慣レテナイだけなんだから。嫌悪症だって治ってきてるだろ?」
 …オレの告白を受け入れて以来、変わりつつある託生。
 オレを真っ直ぐに見て、オレの名を呼ぶ託生。
 ――本当は一刻も早くホンモノの恋人になりたいんだがなぁ。
 担任をからかいつつ、つい零れたため息に松本が苦笑した。


◆三年時
「…おい、崎」
「なんだよ、松本」
「どうなってるんだよ、おまえ」
「なにがだよ」
「…おまえのことだよ」
「…何が言いたいんだよ」
「おまえ、本当にそれでいいのか?」
「だから、何がだよ」
「どう見ても、無理してるだろ、おまえら」
「もう少し時間をくれよ。託生もオレもまだ離れてることに慣れてないだけだから。オレの周りも慌ただしいしさ」
 …オレの変貌に戸惑っていたのは、担任もだったとは恐れ入った。
 だが、オレは託生を守りたかったんだ。
 ――本当は一時も離したくないんだけどな。
 ナイロンザイル並みの太さのくせに、妙な部分で繊細な神経を持つ担任が、この春からガラリとスタイルを変えたオレを困ったように見て、
「…まあ、崎のことだからな」
 それなりに勝算はあるんだろう、と笑った。

END

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