お題:学園萌50のお題(1)
□09、チャイム:託生(3年生7月)
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学園萌50のお題(9) 配布元:BLUE100Titles
チャイム
――ああ、ウエストミンスターの鐘が鳴ってる…。
ぼくはぼんやりとそう思い、次の瞬間とび起きた。
「ちょっと待って! 今のって、どのチャイムだ!?」
時計を見ようとして、ソレに気がついた。
「え、あれ? これって…」
懐かしくも大好きな甘い花の香り…。
「託生、目、覚めたのか?」
いつの間にか、ぼくの隣にはギイが寝転んでいた…らしい。
「ギイ!!」
「…ああ、うっかり寝ちまったか。んー? 託生、今のどうやら6時間目の始まりのチャイムだ」
「えーーーーっ!?」
どどどどどうしよう!?
慌てふためいているぼくに
「そもそもおまえ、どうしてこんなとこに来てたんだ?」
それも一人で。
「や、別にコレと言って訳はないんだけどさ。何日か前からここでご飯食べたら気持ちいいだろうなって思ってて、今日は赤池くんも三洲くんも昼休みに会議が入ってるって知ってたから、ちょうどいいかなってさ」
「で、弁当食べたら眠くなって、現在に至る――ってか?」
「うん」
まったくそのとおりです。
「おまえなぁ…」
ため息をついて肩を落とすギイ。
「…そう言うギイこそ、何でここに?」
「…オレは学食に行けば一年が煩わしいし、こんなに天気がいいのに教室で食べるのはもったいないからここに来てみたら」
「ぼくが寝ていた、と」
「で、託生の寝顔見ながら弁当食べて、時間あったから、おまえの横で起きるの待ってたら…」
つられて寝ちまった。
「もう、ギイったら。そういう時は起こしてよ」
「ダーメ。託生の寝顔、メッチャクチャ可愛いんだぞ。起こすなんてできるか」
「…起こしてよ。そしたら、もっと早くギイに会えたのに」
「…託生」
ぼくの言葉に目を丸くしたギイがふわりと笑って
「…うわっ! ちょっ、ギ――」
ぼくは押し倒されて、深く舌を絡められ――。
「…んぅ…や…ギイ、ダメ…」
「ダメじゃないだろ? イイ、だろ」
ギイの不埒な手が、ぼくを妖しく煽る。
「…ダメ…授ぎょ……出な…んぅっ」
「5時間目サボった時点で、どうにかなってるって。だから託生…」
久しぶりの触れあいに理性を裏切ってぼくのカラダが堕ちていく。
ぼくを隅々まで知り尽くしているギイがぼくを堪らなくさせる。
ここは部屋じゃないのに。
今は授業中なのに。
でも、ぼくもギイももう止まれなくなっていて。
雑木林の日だまりの中、ぼくらは深く愛し合った――。
END