お題:学園萌50のお題(1)

□06、試験:ギイ(1年生10月)
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学園萌50のお題(6)  配布元:BLUE100Titles
試験

「たーくみぃ、古文のノート見せてくれよ」
「いやだよ。ぼくだって今見てるんだから」
「そんなこと言わずにさぁ」
「そう言う利久のノートはどうしたのさ」
「だーってさぁ、古文の時間って眠くってほとんどノートなんて取ってないんだってば」
「あのねぇ利久、今がどういう状況か判ってる? まさにこの後、古文のテストなんだよ」
「だ〜か〜ら〜今託生にお願いしてるんじゃないか。託生は部屋で今まで散々勉強してただろ。俺、邪魔しないようにしてたんだから、今くらいいいだろ」
「そういう問題じゃないの。ぼくだって古文は苦手なんだから、ギリギリまであがきたいんだよ」
 ノートを挟んで、お互い触れないようにそれでもなんだかんだとじゃれている(ように見える)片倉に
「いいよなぁ、おまえは…」
 つい、声に出して呟いてしまったらしい。
「何か言ったか? ギイ」
 隣の章三に訊かれて、
「いーや。ただ、あいつら、あんなんで大丈夫なのかねぇ、とな」
「ああ、片倉と葉山か。珍しく葉山の声が聞こえると思ったら、なんだかなーな内容でなぁ。あんなことしてる間に二人でノート、見ればいいものを。ほら、もうチャイムが鳴るぞ」
 章三が言い終わるかどうかのタイミングで鳴るチャイム。
「あーーーーっ! 託生が意地悪するからチャイム鳴っちまったじゃんか! 俺の古文どうしてくれる〜〜!」
「知らないよ、そんなこと。ちゃんとノート取らない利久が悪いんだからね」
 なんだかんだ言ってる間に先生が入ってきて葉山の声も聞こえなくなり、テスト用紙が配られる音とペンを走らせる音が教室を満たす。
 古文が苦手(古文に限らないのも知ってる)な葉山の声を教室で聞けたことに感謝するか、そんな会話でも交わせることに嫉妬するか、オレは複雑な気分のままテスト用紙を埋めていった。
END

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