Novel-11-
□家族物語り
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「あきおー」
今日もこの声で目が覚める。
「ん…京介か?…親を呼び捨てに…すんじゃねぇ…よ」
「いいじゃんかよ別に」
そう言って俺の上に覆いかぶさる。
「はやく起きねぇとキスするぜ?」
「だからお前は…朝から親をからかうんじゃねー」
(ったく…京介は中一になってもこんな甘えてきて大丈夫なんだろうか…。流石の俺も不安だ)
「……おい、京介。何をしている」
「げっ…有人…」
「親に向かってげっとはなんだ。というかお前はいつまで明王の上に乗っているつもりだ?どけ」
「チッ…」
舌打ちをして渋々明王の上から降りた。
「これだから有人は嫌なんだよ!」
「なんだと?!」
「あーお前ら朝から喧嘩すんじゃねぇよ」
俺たちを見かねた明王が止めに入った。
「…つーか、とりあえずお前ら早く家でた方がいいんじゃねぇか?」
「「あっ……!!」」
時計を確認するとすでに8時を過ぎていた。
「やべぇ…明王!行ってくる」
「おう」
京介は慌てて部屋を飛び出して行った。