Novel-11-

□すれ違い
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「さんきゅー佐久間!やっぱお前に相談して正解だったぜ」


「いやぁそう言う相談ならいつでも言ってくれ!」


「そうだ!お礼になんか奢ってやるよ」


「やたら気前がいいな」


「まぁな…だって…」


「オイ、不動…何固まってるんだ?向こうに何か…ってあっ…」



「何で…?」


どうして鬼道ちゃんと源田が一緒にいるんだ…?


何か話しでもあったのか?



「き、今日はたまたま何か二人で用事があったんだろ、気にすることないって…な?」


「…ああ」




鬼道ちゃん……。


考えすぎであって欲しい……






次の日――――





「な、なぁ鬼道ちゃん」


とりあえず確かめるしかない…か。


「何だ不動久しぶりだな」


「そう、だな…」


何気ない一言が俺に突き刺さる。


「何か用か?」


「この前源田と、何してたんだ…?」


「……お前には関係ない事だ。用がないならもう行く」



「お、おい鬼道ちゃ『鬼道っ!明日の事なんだけど…』



「あぁ源田、明日は俺の家で…」




明日って…


俺との約束忘れちまったのか…?




「鬼道ちゃん…明日何の日か覚えてるか?」


「明日…?何かあったか?」



…そうか、鬼道ちゃん。もう俺なんてどうでもいいんだな。



せっかく…



せっかくの…――――




「お、おい不動…何泣いて…」


「もう…いい、覚えてないならもういい…」


気づいたら俺は走り出していた―――






 
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