Novel-11-
□ToMaTo
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「……おい」
「あぁ…あきおか。どうしたの?」
「……お前…二人だとほんと皆の前と態度違うよな」
「…クスッ、そう?……
ところで何の用ですか?」
「…ん?」
急に口調が変わったと思えば後ろを綱海が通ったらしい。
「で、どうしたんですか?」
「実はな、自分で少しトマトが食えるようになったんだよ」
立向居は
すごいじゃないですか!
と言って笑顔で俺にトマトを持ってきて差し出した。
「……今食えと?」
「はい!食べて見せて下さい」
こいつは…
とことんSだと思う。
そう思いながらも不動は一口でトマトをぱくりと食べる。
多少顔をしかめたが食べきったらしい。
「へぇ…」
感心したように呟くと立向居の目がすっと細められる。
「……せっかく食べれたんだし、ご褒美あげなきゃね」
そう言うと何かを喋る隙もなく手を引かれて立向居の部屋へと連れ込まれた。