Novel-11-

□愛
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「ねぇママ!あれ買ってー」

「んー、しょうがないわね!今回だけよ?」

「やったー」



俺は気づいたら一人だった。親に何かを買ってもらった記憶もないし一緒に何かをした記憶もない。




愛って何だ…?――――







「………チッ」






舌打ちをするとそれが合図となったのか雨がぽつぽつと降り出した。


「…………」



心と同様に自分の周りしか雨が降っていないのではないかと言う錯覚に陥る―――





だがすぐにその錯覚は打ち砕かれた。





「傘もささずに何やってるんだ?不動」


「………別に」


「濡れるぞ。傘に入れ…ってもう既にびしょ濡れか」


そう言ってゴーグルをつけたドレッド頭のやつは小さく笑う。





「…………」






何で俺に構うんだ…?――――







「こんな所で何をしてたんだ?」



「………関係ねーだろ」










暫くの沈黙―――――












次第に大きくなる雨音。









しかしそれを打ち破ったのは

自分でも驚いたが俺だった。



「……一つ、聞いてもいいか…?」


隣にいるやつが俺の方を見る。



「なんだ?」






「……どうして…俺を傘に入れてくれたんだ?」


「いや、友達が濡れてたら流石に見過ごすことはできないだろう」


「…そうか」











そしてまた暫くの沈黙――――――









今度は隣にいるやつが先に口を開いた。






「…あと…俺は…
実はな、お前が……」




俺が…何なんだ…?




自然とその先紡がれた言葉に何故か胸の鼓動がはやくなった。







「…………どう言う事だ…?」




「つ、つまり…

俺と付き合って欲しい」





付き合う………?






付き合えば何か変わるのか………?








「…………いきなり言われても困るよな」






「いや、どうして…俺と付き合いたいと思ったんだ…?」









「それは…

不動が好きだから…
一緒にいたいと思ったから」




一緒に…?―――――





「いてくれるのか……?」




「ああ…」






「分かった…」










「よかった、愛してる。不動」




愛してる……………?









一緒にいたい…これが愛なのか…?





次の瞬間俺の視界が赤く揺れた。






「ふ、ど…ぐっ…ぅ…」


「俺を…愛してるんだろ?」



気づくとさっきまで隣にいたやつが俺の足の下に横たわっていた。




「そ…だが……っ…ぁ…ぁ」



「だったら、ここで…………俺と一緒に」




横たわっているやつは必死に自分の頭の上にある足から逃れようともがく。





そしてその圧迫感が消えた次の瞬間―――――







「…ふ…ど……」



「愛してるよ、鬼道ちゃん」
















グシャッ―――――――

















「これで…ずっと一緒だ…―」













そこには赤い液と一つの歪んだ愛だけが残っていた―――――――――
















愛ってこう言うことだったんだな


















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はい、久しぶりの更新が何故かこんな内容に…(・_・;)鬼道さんが何か…申し訳ないです……
もっとラブAしたのを書こうと思ったのに←
書いてる途中で方向が変わってました(^p^)歪んだ←
次は明るめの書きます!



 

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