Upside down Library
□俺って優しい人
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「…な、田沼…、俺がどんな人間でも…ずっと友達でいてくれる?」
それは、純粋で、不安げで、悲しげで、俺にとっては残酷な問いだった。
夏目の顔は病んでるみたいに暗くて、何かに押しつぶされてしまいそうな顔をしてる。
守ってあげたい。俺が初めて想った人だった。だから、その問いにだって、簡単に肯定の返事をくれてやれれば良かった。
でも、その問いはあまりにも残酷で。
友達、なんて。
時間は止まってはくれなかった。
だから、だから俺は、
「うん。」
頷いて頭を撫でる事しか出来なかった。
END