Upside down Library
□Sweet day
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「あ、ナタンいた!」
こんな日ですら、ナタンはグランドキャニオンの奥深くで修行をしていた。
「ナタンあのね、あげたいものがあって…」
「…ここは危険だ。来い」
ナタンに言われるままにジョニーは着いていき、草影に二人で腰かけた。
「ナタンバレンタインって知ってる?今日なんだけど…あった、はい!ビターチョコレート!」
此方もチョコレートクッキー同様何とも可愛らしいハート型のビターチョコレートだ。
相変わらずナタンは無表情で、受け取ってからも押し黙っている。
「…嬉しく、ない?ぉわっ」
突然引き寄せられた。そして必然的に見つめあう形となる。
ジョニーはドクドク煩い心臓を押さえ戸惑った。
「ナタン…ッン!ん、ふぁ…ッ」
今度は突然唇を奪われる。舌まで絡めとられ、ジョニーの意識も朦朧としてくる。ただ、ぼんやりと気持ち良いと感じていた。
「んん…ふ、ふゥ…」
唇が、離れた。
これはそれなりに喜んでくれているということか。
ナタンは驚く程に不器用な男だった。
「素直にありがとうって言えばいいじゃない…」
「言葉では伝えきれぬ事もあろう」
「いやいやチョコのお礼くらい言葉で済ませられるでしょ。」
他愛の無い会話の最中、ジョニーはたった一度のキスで火照ってしまった体を鎮めようと、ナタンから目を反らし次の人へチョコを届けに行く話…つまりここから去りたい話の切り出し方を必死で考えていた。
「そ、そろそろ行くかなー。ナタンには修行があるし…」
「待て。」
立ち上がろうとしたが、それはナタンの大きな手により阻止された。
「そんな体でここから出るのか。」
「べ、別に、その内おさまる…ッ」
「油断していればたとえ強くなったお前でもここの獣に食われてしまう」
「…ッでも、こんなトコで、一人でなんて…っ」
「…貸せ」
何を、と口にする前に腕を引っ張られ、ジョニーはナタンの腕の中に納まった。
暫く呆然としていれば、ズボンのジッパーが下げられる。
「ナッ、ナタン!?ちょ…ッ」
抵抗も虚しくズボンは下着と共に膝まで下ろされ、自身が露となる。
ひくひく小刻みに震え勃つジョニーの若く可愛らしいそれを、ナタンは大きな手で擦りあげた。
「ひ…ッんぁ、ダメ、出ちゃう…ッんひぁっ!!」
勢い良く飛び出た白濁の液体を見るや否や、ジョニーは頬を真っ赤に染めてナタンの胸をポカポカ叩いた。それはもうとても弱い力なので、ナタンも愛おしくなり抱き締めながら後始末を始めたのだった。
「はぁ…もう早く次に行かなくちゃ。バイバイナタン」
ジョニーには頷く彼の顔が少し寂しそうに見えた。
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