Upside down Library

□レニーマイラヴ
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この劇場に、依頼主の探している人がいる。
一本のナイフをしっかりと持ち、中へ入った。
しかし、


「もう、駄目だ…」


中はゴロツキやチンピラ達の巣窟と化していた。
何人も相手をしていると体力も無くなってきて…―


「コイツよく見りゃイイ顔してんじゃねーか」


「遊んでやるか?」


おれ、どうなるのかな

死んじゃう、のかな


「坊っちゃまーーー!!」


突然、目の前のチンピラ達が吹っ飛んで、レニに抱き起こされた。


「無茶はしないようにと何度も言ったではありませんか…。」


今何したの
とか
どうして此処に来たの
とか
色々疑問はあったんだけど、安心から涙がボタボタ溢れてきて、何も言えなくなった。


「レニィ…」


「坊っちゃま…」


「ありがと…大好き…」


ゴツゴツした腕に抱き着いて、頬にキスすると、レニは嬉しそうに照れ笑いした。


「行かれるのでしょう?また」


「ああ…いつまでもレニに頼ってちゃ駄目だね。」


「そんな事はありません。私はいつまでも貴方の事を見守っておりますゆえ…」


笑顔で去っていく彼に、少しドキドキしたなんて、誰にも言えない。





END





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