Upside down Library

□館に響く愛の歌
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人形の館にて。
見事悪霊を倒し、死んでしまったエドナの魂を一晩の間だけ、人形に宿すことに成功した。


「兄さんの部屋の本棚に、貴方へのプレゼントがあるの。恥ずかしいけど…笑わないでね?」


「笑わないさ…ありがとう」


「ええ。じゃあ、もう行くわ」


「待ってくれ!今夜一晩はこちらにいられるんだろう…?」


「そうね。貴方のギターを聴かせていただけないかしら?」


「…勿論だ」



ギターの美しい音色は館に響き、一つの魂に愛の歌が捧げられる。


「夜が明けるわ。私は帰らなくちゃ。今夜はありがとう…リカルド。」


「そうか…もう、行く時間か…」


「ねぇ、リカルド。私の事いつまでも引き摺ってちゃ駄目よ?」


「え?」


「貴方には大切な人が出来たはず。今度はその方に、愛の歌を…」


「エドナ…!!」


「私は貴方に幸せになって欲しいの…いつも見守っているわ………リ、カル、ド」


人形の頭がかくんと傾いた
それきり何も喋らない


「エドナ…ッ」


貴方には大切な人が出来たはず


「ね、リカルド」


「ジョニー…」


後ろには扉を少し開けて目を忙しなくキョロキョロさせ困惑しているジョニーがいた。


「ごめん、ギターの音が綺麗だったから…扉の側にいたんだ…。エドナさん、帰っちゃったんだね。で、でも元気だして!俺とか、皆いつも一緒だからっ」


「ジョニー」


「ぉわっ!?」


ジョニーに歩みより、側まで来ると強く抱き締めた


そうだ

この歌を今度は

君に贈ろう





今度はその方に愛の歌を…―





-end-
 

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