Upside down Library

□箱庭
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(欲しい物など手に入れたらただのガラクタになり
忘れられてゴミと化す
お気に入りを集めて組み立てて殻を作るほど不安ばかり消せなくて

空回る不器用さもあなたはほほえむから
探してた答えなどもうどこにもないから)





「俺…一度死んだって。」


地下室ですべてを聞く前、精神的に疲れが溜まっていたため俺は皆に頼んで休ませてもらうことにした。
皆も自分の体を休めるために、それぞれの行きたい所へ行く。
でも、リカルドは違った。ずっとそばに座っていた。
だから、少し弱音が出てしまう。


「あぁ。」


「俺は姉さんと同じことをしてしまうかもしれない。」


「止めてやるさ。」


誰も止められはしない。そんな言葉をもらっても、不安は膨張するばかりだ。
小さい頃に貰った沢山のおもちゃは今も俺を安心させてくれない。
もう壊れちゃったんだ。ここのも、頭の中のも。


「誰かをまた傷つけるくらいなら、俺死んじゃいたい…。」


「坊主何を…」


「いいじゃないか、元々死んでたんだから。そうだよ。俺も姉さんも生き返らなければ良かった。殺してよ、兄ちゃん。」


俺が放ったその言葉に、過剰に反応して目を見開いた。
そして俺は白くて大きなベットに押し倒される。よく考えれば、これも棺なのか。


「馬鹿野郎!!お前はまだ生きてんじゃねえか!!そんな事言うなよ…そんな、あいつと同じこと…」


悲しげな顔が間近にあった。今にも泣きそうな顔が。
服が捲り上げられる。胸に大きな手が触れる。


「動いてんじゃねぇか…」


掠れた声で囁かれて、涙が落ちる。
それは自分のものか、リカルドのものか。


「お前がまた暴れたら、止めてやる。止めてやるから。」


頬と頬が触れるくらい近くに、リカルドの顔がある。同じ息をしている。



そして俺たちは、唇を重ねた。





(永遠とは何かを感じさせてね
頬を寄せて吐息を合わせて
もしあなたと始まることになってもかまわないと今なら強く言えるの

嘘を吐いてこのまま騙していてね
髪を撫でる指の先から
もしあなたと始まることになってもかまわないと今なら強く言えるの

繋いで 繋いで 揺り籠に揺られ
わたしとあなたを わたしとあなたで
許して 許して 殺して 柔らかく抱いて

繋いで 繋いで 揺り籠に揺られ
わたしとあなたを わたしとあなたで
許して 許して コロシテ 柔らかく抱いて)





「行こう、リカルド、皆。」


「もう、大丈夫なの。」


「…うん。」



(扉を開け手に入れたすべてを置いて出て行こう)



END


  
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