企画
□泣き虫
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『ーっく。…ひっく…。』
静かな教室、もう何年も使ってないようなその一角で声を殺して泣いてる彼女を見た。その泣き顔に惚れてしまったらしい。
自然と足が彼女の方に歩いていってしまった。
『ーっ、どうしてここに??』
驚いて顔をあげた彼女の前に屈み込んだ。頬に残ってる涙の跡を拭いてやる。
「君の涙が綺麗だったから。」
『えっ///』
「だから、余計に笑顔が見たくなった。」
『あ、あのっ。』
彼女の瞳にはまた涙が溜まっていた。
『そんなこと言われたの初めてで、嬉しいです。』
小さく微笑んだ彼女に呆気なく目を奪われてしまった。
END