企画

□キスと指環の誓い
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「レクス、今日一緒に陽だまりの丘に行かない??」



「ごめん。今から用事があるんだ。また今度な。」



「じゃ。」と言ってすぐ立ち去ってしまうレクス、これで何度目だろうかと考え、ため息をつく。ここ1ヶ月ほど、レクスは毎回のごとくティアの誘いを断るようになった。想いが通じて約2年。もう潮時なのだろうか。考えれば考えるほど不安が募ってくる。



「あーもう、考えるの止めよう。」


嫌な考えを振り切るように首を振り、陽だまりの丘へ歩く。冬になりティアの頬をかすめる風が日に日に冷たさを増しているのがわかる。預言書を開くとレンポが顔を出した。



「よぉ、やっぱさみぃな。この辺は雪、降るのか??」



「降るよ。冬になったらいーっぱい。」



「へぇ…そりゃ楽しみだな。」



「あれ??寒いの苦手なんじゃないの??」



「まぁ、でも冬は好きだ。雪は綺麗だからな。」



「ふーん。ネアキの季節だら??」



「なっ…///バカ、ちげーよ。」



「ふーーん。」


耳まで赤くなってそっぽを向いてるレンポを見て、ティアはニヤッと笑う。
「ばか。」ともう一度言われ、枷の付いた腕で頭を叩かれた。



「もー痛いよ。そんなバカ力で照れ隠ししないでよ。」



「してねぇよ。ってか、ティアはどうなんだよ??」



「どぉって??」



「あの皮肉屋とは上手くやってんのか??」





「あぁ…えーっと……。」



「なんだ??上手くいってねーのか??」






「…まぁ、ちょっとね。」



「大丈夫か??」


心配そうにレンポが覗いてくる。



「だ、大丈夫。喧嘩したわけじゃないし…私が勝手に……不安に…。」



レンポに心配をかけないように笑顔を貼り付け顔を上げたはいいが、笑顔はすぐに崩れた。一回頬を伝った涙は止めることが出来ず、とめどなく流れた。緩んだ手元から預言書が滑り落ち他の精霊が顔を出した。






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