企画
□肉
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「Trick or Treat!!」
猫耳に真っ黒なフードコート、下に目を向けるとコートの裾からはみ出した尻尾があった。
「ティア?」
「へへっ。お菓子ちょーだい。」
無邪気な笑顔を見せながら両手を前に突き出す。少しうーんと考えてからティアの手をぺちっと叩く。
「なんもねぇよ。」
「えー。そしたらいたずらしちゃうぞ。」
「やれるもんならやってみろよ。」
皮肉たっぷりに笑ってみせるとティアが抱きついてレクスを押し倒した。
「いって…腰打っただろうが。」
腰をさすりながらティアを見ると、ニコニコ笑いながらマッキーをとり出した。
「ちょっ…ティア?」
「動かないで。」
ニコニコ顔がニヤリと微笑んだ。
「まっ…。」
「じっとしててよ。」
マッキーを持った手がレクスの額に近付く。
―キュッ キュッ キュー――
額に冷たい感触がし、諦めたように抵抗をやめた。
「よし、出来た。」
ティアに渡された鏡を見ると、額に書かれた「肉」という文字、まぶたに書かれた妙にリアルな目、鼻の下にちょび髭、そして右頬には赤で唇のマークが書かれていた。
「……。」
「我ながら頑張った。」
ティアが胸を張ると、レクスが床に転がっていたマッキーをつかんでティアを押し倒した。
「次はおめーの番だ!!!」
「なぁ――――――!?」
END
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