ゼント

□看病イベント
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…風邪をひいてしまった。

熱で意識がハッキリしないまま、ふらふらとレクスはベッドへと向かう。なんとか辿り着いたものの、着替えることすら難しい状態だ。

健康管理にはある程度気を使っていたはずだが、何故か起き抜けからこの調子だ。呑気に冒険をしている親友に「体調を崩すなよ」と注意しているくせに、このざま。

確か今日はその親友に付き合って、グラナ平原に行く予定だった。しかし、この調子では外出など到底無理だろう。
レクスは手近にあった紙にメッセージを書き付け、目に付きやすい机の上に放り投げる。親友はレクスを迎えに来ると言っていた。多分、これに気が付く。
そうしてベッドに倒れ込むと、レクスはそのまま意識を手放した。


………


人の気配を感じてレクスは目を覚ますと、目の前には…

「レクス、大丈夫?」
「ティア…お前」

心配そうに自分を覗き込む親友がいた。

「ちょっと待っててね。今から、飲み物と食べ物出すから」
ティアは預言書を広げてパラパラとページをめくり始める。レクスが慌てて体を起こすと、いつの間に乗せられていたのか、額から冷たいタオルが滑り落ちた。

「バカ!さっさと帰れ、うつるぞ!」
「私は、大丈夫だよ。それにレクスが心配なの!」

今日は、看病していくから、と。
少女は言う。

預言書から取り出した果物ジュースを押し付けられ、レクスはしぶしぶ受け取る。
喉は渇いていたので、正直言うとありがたいが、世話をやいてもらっているのがなんだか悔しい。





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