本棚(短編)

□名前で呼んで
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「さつきぃ」

また、だ。
青峰が桃井を呼ぶとき下の名前で呼ぶのを聞くと、心の中でじわりと嫌な気持ちが拡がる。
あの2人が幼馴染なことは知っているけど、2人の間に恋愛的な何かは何にも無いことを青峰と桃井の両方から何度も説明されているけど、でもこれはあたしが青峰を好きな以上どうしようもないみたいなんだ。

だって青峰はあたしのことは

「火神ぃ」

って呼ぶ。
ほら、今みたいに。「なんで青峰はあたしのことは名前で呼んでくれないのかなぁ?もしかして下の名前知らないとか…」もしもの思い付きに青褪めていると

「火神さんは青峰くんに下の名前で呼ばれたいんですか?」

と何故か黒子の声で質問されて

「うん。呼ばれたい。だって桃井さんや黒子は下の名前で呼ばれてて、そりゃあたしは桃井さんと黒子に比べたら付合いは短いし、桃井さんに比べたら可愛くもキレイでもないけどやっぱり好きな人には名前で呼ばれたい、かなぁ。」
って思っている内に、ダンッって隣でデカイ音がしてビックリした。

「だ、そうですよ。青峰くん?」

って黒子に言われて、ハッとした。




……そうだった、黒子とマジバに来てて青峰と桃井に会って……ここマジバだった!!

恐る恐る隣を見ると色黒で分かりにくいけど真っ赤になった青峰がテーブルに突っ伏してて、目をキラキラさせた桃井と解りづらいけど愉しそうな黒子と目があった。

「……もしかして……」

「全部声に出してましたよ。火神さん。」

「なっ////!!!」

「で、どうするんです?青峰くん?」

「なっ////!!!」

「た……た……た……」

「「た?(わくわく)」」

「た……た……た……////!!!」

(( ̄▽ ̄;)爆死した)
(このヘタレ峰!)
 

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