本棚(短編)
□Moechtest du meine Frau werden(メヒテ ドゥ マイン ヴェーアデン)
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「ダメです!!」
三橋父こと玲一さんに、思いもしない反対をされて、オレ等の結婚話は初端から暗礁に乗り上げた。
「ご め ん ね」
三橋が元から下がった八の字眉を更に下げて謝る。
「んー。まぁ、反対されんのは流石に予想外だったけど、また改めて挨拶に来るから親父さんに予定聞いといて?」
「また、来てくれるの?」
「来るよ。大事な嫁さん貰いにくんだもん。オレが諦め悪ぃのは、お前が一番良く知ってんじゃね?」
おどけた風を装い、三橋の柔らかな髪を梳くと
「ありがとぅ。諦めない でね?」
と、三橋がキレイな泣き笑いで目を細める。
人通りが無いのをサッと確認すると、オレは三橋に触れるだけのキスをした。