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□Schwangerschaft(シュヴァンガァシャフト)・03
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あれから三橋を問い詰めたら、オレが知らなかったことと気がつけなかったことが次々に分かった。
まず、○○は一度しか三橋の妊産婦検診に連れて行ったことは無いらしい。
最初に頼んだ時に
「病院が遠過ぎます。それに丸1日潰れてしまって何にもできなくなっちゃっいます!帰り道の最寄り駅までだったら迎えに行っても良いですけど?」
と曰ったらしい。
そんなことを言われたら、三橋の性格からしてどんなに体調が悪くても、2度と○○に「病院まで連れて行って欲しい」とは頼めないだろう。
他にも、三橋は親切で本屋とかスーパー等この地域で生活するうえで必要そうな店をあくまで「自分の買い物のついでに」という形で案内したらしい。
○○の奴は「三橋先輩は毎日買い物に出かけて無駄遣いをしている。私は遠くまで車を出させられてガソリンが無くなってしまった」とオレに告げ口してガソリン代をせびってきたことがあった。
しかし、三橋はそのどのこともオレに告げ口してこなかった。
今回の救急車騒ぎの緊急事態にも、○○は全く役に立たず、寝こけていただけだった。
それを踏まえてオレは「○○に価値は無い」と判断した。