東方小天星〜小クロス〜

□救済者の旅〜万能執事との出会い〜
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救「・・・」




三天皇の異変が起こる少し前の物語・・・天六救・・・彼女は別次元の幻想郷へと足を運ぼうとしていた。救は博麗大結界を抜け・・・別次元の幻想郷へとたどり着いた。




救「む・・・此処に来てしまったか・・・」




彼女の目の前には全体が紅く染まった廊下が広がっていた。




救「別の幻想郷に行くのは造作でもないが・・・降りる場所を選べないのが難点だな・・・紅魔館とはついてない」




紅魔館は厄介な住民が多く主に好戦的であるため、救は此処には着きたくなかったようだ。




救「兎に角、来てしまったのだから仕方がない・・・果たして、この世界の住民は真理を覆せるか・・・見定めさせて貰おうか・・・」




意味ありげに呟く救・・・彼女の言葉に一体、何の意味があるのか・・・救は廊下を歩いていたが、銀のナイフが自分の首に向けられているのに気付き立ち止まった。




救「・・・」




咲夜「貴方・・・侵入者?」




紅魔館でナイフと言えば十六夜咲夜・・・無論、救もその事は分かっていた。




救「十六夜咲夜か・・・」




状況は最悪・・・しかし、救は焦っていない・・・いや、むしろ余裕すら感じる。




咲夜「私の名を知っているのね・・・怪しいわね・・・もう、一度聞くわ・・・貴方は侵入者?」




救「侵入者ではないと言っておこう・・・その物騒な物をしまってくれないか・・・吸血鬼の従者よ」




咲夜「悪いけど信用できないわ・・・私の名を知り、お嬢様の存在も知っている・・・貴方は此処に目的があって来たんじゃないのかしら?」




救「ふむ・・・(この世界の十六夜咲夜は鋭いな)」




咲夜「何を納得しているのか知らないけど・・・答えないなら、首が飛ぶわよ」




咲夜の警告・・・その殺気から脅しでないことが伺える。




救「ふっ・・・これは話さなければ、私の人生が終わるな・・・(少し試させて貰おうか・・・此処の世界の実力を・・・)」




ニヤリと咲夜に見えない様に笑みを浮かべた救・・・そして、口を開いた。




救「この館の吸血鬼の抹殺が目的と言っておこうか?」




救の言葉に咲夜は驚く・・・救は言葉はまったくのでたらめ・・・すなわち嘘である・・・しかし、咲夜の動揺を誘うには充分だった・・・そして咲夜は目の前にいる危険人物の排除を開始する。



咲夜「・・・!!」




ナイフで救の首を斬ろうとする咲夜・・・だが、救は咲夜の手首を素手で弾き、ナイフは咲夜の手から地面に落ちた。




救「ふふ・・・この程度か?」




咲夜「私を舐めない方がいいと思うわよ・・・幻世「ザ・ワールド!!」」




咲夜のスペルカードは咲夜以外の時を止める・・・咲夜は救の周りに大量のナイフを配置する・・・そして、時は動き出す。




咲夜「これでお終いよ・・・紅魔館に喧嘩を売ったことは命で償って貰うわ!!」




救「残念ながら君では不可能だ」




咲夜「・・・何時の間に!?」




ナイフは包囲網に救の姿はなく・・・咲夜の後ろを救はとっていた。




救「これを避けられないなら、私の救済には当てはまらん」




救は小型の剣を咲夜に投げつける!!・・・咲夜に時を止める時間もない・・・回避不可能だと咲夜が思った時・・・




???「おっと・・・危ない」




小型の剣はサーベルによって弾き飛ばれた・・・救はサーベルを持っている男性に目を向ける。




救「・・・何者だ?」




???「名乗る時は自分からが礼儀だと思いますが?」




救「それは失礼・・・私は天六救だ」




至「紅魔館の執事の須藤至です・・・以後、お見知りおきを・・・」




救「見た所、貴方の方が年上の様だ・・・敬語を使わなくても良いと思うが?」




至「私の話し方が気に入りませんでしたか?」




救「・・・(この男・・・見て目からして年齢は三十歳くらい・・・それより、紅魔館の住民でこのような男はいなかった筈・・・)」




咲夜「普通に話している様だけど・・・こいつはお嬢様の命を狙っているわ」




咲夜の言葉で救は自分の行動を思い出し、戦闘態勢をとる。




救「十六夜咲夜の言う通り、私はお嬢様の命を狙っている・・・そこの執事も戦えるのか?」




至「戦えますが・・・さっきの命を狙っている・・・それ嘘ですよね?」




咲夜「・・・え!?」




救「分かるのか?」




至「さっきの戦いを見ていましたが・・・まるで相手を試しているような戦い方をしていましたからね・・・それで、お嬢様の命を狙っているなんておかしいと思いますがね?」




救「ふふ・・・凄い洞察力だ・・・貴方の言う通り、お嬢様の命を狙う気はない・・・だが、貴方には興味が湧いた・・・手合わせ願おうか」




救は蒼く輝く刀を手に持つ。




至「手合わせで満足して頂けるなら、お受けしましょう」




手合わせに迷いもなく至は承諾する。




咲夜「・・・まさかの展開ね」




救「それでは行くぞ!!」




至「お手柔らかにお願いしますよ!」




まさかの出来事に咲夜は呆然としていた・・・そして二人の手合わせは始まった。
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