main(long・ヒバハル)
□第一話
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あぁ、頭が痛い。
またあの頭痛。
-きっと、また会える。
-でもっ・・・・!
-いいから。早く行って。
-嫌だ!私も一緒にっ・・・・!
-早くっ!
-っ・・・・・!
-大丈夫。
-待って・・・・・。
-好きだよ。
-ごめんなさ、い・・・・。
-愛してる、━。
「おいっ、何ぼーっとしてやがんだ!」
バコッという大きな音とともに、頭に鈍い痛みが走る。
「はひっ、痛いじゃないですかっ、獄寺さんっ!」
「任務中にボサッとしてるからだ、アホ女」
「パワハラです・・・・」
「あ゛ぁ?」
「いえ、何でも」
聖天使特殊総括部隊。
通称『ボンゴレ』
五大聖天使率いる50人の天使たちによって天界を総括する大切な機関。
その頂点に君臨するは五大天使の中でも最も位が高いとされる『ディアマンテ』。
イタリア語でダイヤモンドの意。
そして天使にはそれぞれ特徴とするものがある。
天を特徴とする五大天使。
『ディアマンテ』、沢田綱吉。
火を特徴とする五大天使。
『ルビーノ』、獄寺隼人。
水を特徴とする五大天使。
『ザッフィーロ』、山本武。
地を特徴とする五大天使。
『アメティースタ』、六道骸。
木を特徴とする五大天使。
『ペリドート』、三浦ハル。
位の高い順から言えば沢田、獄寺、山本、骸、ハル。
つまり、ハルは獄寺よりも位が下。
それでも五大天使に選ばれるということはとても誇り高いこと。
何せ数万といる天使の中で五本の指の内に入る能力の高さ。
因みに能力の高さは生きているときの行いの良さから判断される。
そのため、ペリドートの位に選ばれたとき、彼女の両親は二人して大号泣。
親戚が集まって大騒ぎ。
街を通れば皆が頭を下げる。
それ位名誉あるということ。
それだというのにこのアウトローは。
いつも私のことを馬鹿にする。
挙げ句の果てには私のことを『アホ女』と呼ぶ始末。
-許しがたいです。
「これから10代目にお会いするというのにぼっけーっとした面しやがって。もっとシャキッとしろ、シャキッと!」
「しょうがないじゃないですか、いつもの頭痛が来たんだから!」
「あぁ、てめぇがよく感じてる原因不明のアレか」
「そうです、ソレですよ」
「んなもん気合で何とかしろ」
「はひっ!?なんていう無茶な注文を!貴方はバカですかっ?」
「てめぇだけには馬鹿なんて言われたくねぇんだよっ!」
「だってバカじゃないですか!」
「ってんめぇ・・・・・。果たすぞ」
「返り討ちですっ!!」
お互いの手にぼぅっと光が溢れた時。
「お二人ともいい加減にしてくださいっ!」
二人の一歩後ろを歩いていたハルの秘書、イーピンが耐えかねたように二人の間に入った。
「ここは街中ですよ?!お二人がもし戦いでも起こしたら滅茶苦茶になってしまいます!」
「うっ・・・・・」
「はひっ・・・・・」
イーピンのまっとう過ぎる意見に言葉を詰まらせる二人。
周りを見渡せば、二人の戦いが始まるのかと不安そうにしている天使たちの顔。
静まるしかなかった。
「元はといえばてめぇのせいだろ・・・・」
「言いがかりはよしてくださいっ!」
「だから喧嘩は駄目ですってばっ!!」
-続く-