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□光る黒
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久しぶりに会う彼女は


黒いドレスがよく似合っていた。







「お久しぶりですね」

まるで絵にかいたような作り笑い。

元カレとの十年ぶりの再会だというのに、何だ、その顔は。

「おぉ。元気だったか?」

「えぇ、それなりに」

手にシャンパングラスを持って、体のラインがよく目立つ黒いドレスを着て。

何より変わっていたのはあの長い黒髪がさっぱりとしたショートヘアーになっていたことだった。

「・・・・綺麗ですね、京子ちゃん」

ふっと遠くに目を見やったハルの視線を追えば、そこには白いドレスを着てうれしそうに微笑んでいる沢田京子がいた。

一週間前、ボンゴレ十代目ボス、沢田綱吉と結婚して妻となった彼女。

その二人は誰が見てもとても幸せな夫婦だった。


十年前。

ハルは十代目のことが好きだった。

そして、それをわかっていて俺とハルは付き合っていた。

十代目がイタリアの本部に本格的に住居を移すと決め、俺がそれについていくと決めた時。

彼女から発せられた言葉は一言。



『裏切り者』



別れよう、でも。

私もついていく、でもない。

たった一言。

無表情で放たれたその言葉は、意外にも深く俺の心をえぐった。

きっとあの時の俺の決断は、彼女にとっての生命線だったのだ。

ギリギリのラインで保たれていたバランスが崩れた時。

その崩壊はとても当時の俺に修復できるような代物ではなかった。

結局そのまま連絡はぱったりと止み、あれから一度も会っていなかった。



そしてこの最悪な状況での再会。


あぁ、目の前がくらくらする。



「何でハルを呼んだんでしょうか。もう、ハルはツナさんたちとは関係のない世界に住んでいるのに」

淡々と問いかけてくるハルの視線は、未だ沢田京子から離れていなかった。

「京子ちゃんは知っていたんです。ハルがツナさんのことを好きなこと」

「分かんねぇだろ、そんなこと」

「分かります。女の勘は当たるものですよ」

くすっと小さく微笑む彼女には、当時なかった大人の色気というものが漂っていた。

「昔ね」

「あぁ・・・・・」

遠い過去を懐かしむかのような表情。

「京子ちゃんがハルに対して苛立ちを含んだような目を向けてきたことあったんですよ」

「どんな時に?」

「ハルがツナさんの名前を呼ぶときです」

「・・・・・・」

「あの目。ハル、きっと一生忘れられません」

その時ハルはふっと我に返ったような表情になり、静かに目を閉じた。




そして、



「助けて、獄寺さん」


一滴の涙が彼女の頬を伝った。







真っ暗の中に小さなスタンドライトの光。

目の前には先ほどまで自分の前で泣いていた女の裸体があった。

ゆっくりと伸びてきた腕がしがみつくように首に絡みついてくる。

優しく胸の突起を指で弄べば、小さく声が上がる。

「ぁっ・・・・」

そのまま胸をまさぐり、片手を下に持っていけば、ハルの足に力が込められた。

そんな力で抵抗できるとでも思っているのか。

「開け」

「ぃやっ・・・・」

小さく首を横に振る女に、訳が分からなくなる。

抱いてほしくて家までついてきたのではないか?

思わずそんな無粋なことを聞きたくなるほどつじつまが合わない行動をとる彼女に若干苛立ち、無理矢理足を開かせた。

その瞬間びくっと体が委縮したようになる。

中央にある小さな蕾を親指で擦り付けるようにすれば、ハルの体一際大きくはねた。

「あァっ・・・・!」

ダメだ、とでもいうように俺の胸を押し返してくる弱い力。

それが余計に自分の中の支配欲を大きくしていく。

クチュ…

卑猥な水音ともに指を侵入させれば、どんどん溢れてくる蜜液に笑ってしまった。

「何だかんだ言って気持ちいいんじゃねぇか」

「ちがっ・・・・ひゃぅっ!」

否定しようとした瞬間、指をくいっと曲げれば甲高い声を上げて女は鳴いた。

「ぐしょぐしょだぞ?中」

わざと指を抜き取って、目の前で舐めて見せれば、まるで悪夢でも見ているかのように瞳いっぱいに涙をためる。

中途半端でやめてしまったのがむず痒いのか、下半身をよじるハル。


「なぁ、言ってみろよ?俺が欲しいって」

くいっと人差し指で顎を持ち上げれば、羞恥心からか、一気に赤くなる頬。

「言え」

「やっ・・・・」

「言わなきゃこのままだぞ?」

「アウトロー・・・・」

「早く」

「っ・・・・」

一瞬視線をきょろきょろとさせ、恥ずかしさに耐えかねたように目を固く瞑った彼女が一言。



「獄寺さんがっ・・・・、欲しい、です」



あぁ、もうこれだけでいい。




お願いだから。



誰かの代わりだとしても構わないから。




俺を求めてくれ。







光る黒

もう何でもいい。

どうか今だけは。


目の前のものを愛だと信じて。
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