土屋連載

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「遠慮せんと食いや」


南のお兄さんは想像してた感じとは全然違くて南とはあんまり似てない。


南は耳にもまゆ毛にも髪がかからない短髪、でもお兄さんは耳にもまゆ毛にも髪がかかってる。前髪をおでこの上で束ねててヤシの木が頭に一本生えてるみたい(でも真っ黒なのは同じだ)


「俺ん事こいつから聞いとる?」
「あっ、はい!南のお兄さんでバスケットしてるって」
「南烈。烈でええよお嬢ちゃん」
「じゃぁ私もっ」
「お嬢ちゃんはお嬢ちゃん。傲慢に呼び捨てかましたら…こいつ拗ねよるし」
「ちょ、兄貴っ!やからこいつそんなんちゃう言うに!」


南とお兄さんは凄く仲がいい
(さすがは大阪、さっきからずーっと兄弟漫才やってるみたいだし)私一人っ子だし、ちょーっと羨ましいなとか思っちゃうぐらいに


「お嬢ちゃんもバスケやっとるんやんな?」
「んっ、ふぁ…いっ!」「くくっ、すまんすまん。食ってから教えて」
「そうやって、こいつもバスケやっとる言うてたやん」
「こら、お前に聞いとらん。お嬢ちゃんに聞いとんの」
「食ってるから代弁しとんやろ俺が」
「…ほら拗ねよる」
「な、アホか兄貴っ!」



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