土屋連載

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このチケットが夢の世界への切符なら良いのにな、そう言ったらあっくんは『そやね』って優しく笑ってくれた。















「姫ちゃん姫ちゃん!
なっなっ…僕、あれ乗りたい!!」


って、大学生な筈のあっくんは私よりも子どもなキラキラした目で私たちの目の前にそびえ立つこれを指さした。



ジェットコースターだい!



水族館か植物園か遊園地、デート候補に上がったのはこの三つ。好きなとこ選んでえーよ、ってあっくん言ったくせに


『水族館狭いでー?』とか『植物園は静かにせなあかんでー?』とか『僕、観覧車大好きー』とか言うんだもん(絶対完璧、誘導尋問だ)それでも水族館が良い!とかだだこねてみたら……あっくんが運転する車はいつの間にか遊園地に来てました、そんな結果になりました。


なんだい、絶対遊園地だったんじゃん(やっぱりあっくん子どもだーい)


「あっくん子どもだーい」
「姫ちゃんとお揃いやね」
「あっ、私もうすぐ高校生ですよーだ」
「流石、若い!ほな一番前で叫んだるでーっ!」
「っ、わ…あっくん!」


私の手を引っ張って全力疾走なあっくん。
おっきくて、豆がつぶれたザラザラな手のひらのこの感覚。確かにどこかでおんなじのを感じたような気がするけど(…どこだっけ?)ふわふわ風に扇がれるあっくんの艶々な後ろ髪を見てたらそんなのどうでもよくなってくる


(そっか、あっくんとデートしてるんだ…私。)



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