おはなし

□さびしがりやな金曜日
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冬のある日の帰り道。

私は家が同じ方向の友達がいなくいつも1人で帰る。
今日もいつもと変わらない。


「久しぶりー!!」
声をかけられた私。

振り向けば私の好きな君。

『久しぶりじゃないじゃん……。いつも廊下ですれ違うじゃん…』


なにげない会話が楽しくて、

君のいつも乗るバス停まであと100メートル。

この幸せな時間も100メートルで終わる。

話したい、話さなきゃ…

とっさに出た言葉…

「あーっ!UFOだー!!」

「どこどこ??」
無邪気に振り向く君。


「うそー。」

ちょっと怒った君も可愛くて、
私は思わず笑ってしまう。

そしてすぐ時間はすぎてしまう。

「バイ…バイ……」

お別れなんてしたくない。
だって明日は土曜日だから…
君に会えない週末。



君は手をさしのべた。
「はい。これで寒くないだろ?風邪引くなよっ。」

手渡したのはぬるめのカイロ。


「ありがとう。」
私は君の方を振り向かず帰る…

だって君のこと見たいけどせつなくなるだけだから。


「また月曜日な!」

叫んだ君が恋しくて、


「うん。またね!」
知らぬ間に君への笑顔で溢れてる。

君にもらったカイロを握りしめ、
冬の道を歩いてく。


可愛い君が大好きです。
優しい君が大好きです。


君に奪われた恋心。

――君が恋しい金曜日。


end
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