□除夜の鐘
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──ゴーン・・・
里の神社では除夜の鐘を突いている。
もう何度めの鐘の音だろうか。
夜になる前は、神社まで行かずとも部屋まで届く鐘の音を最後まで数えようかと思いを馳せていたのだが・・・。
『ナルト、おいで』
そう言ってニコリと微笑む恋人にあっさりと捕らわれ、着崩れた恋人同士は互いに体温を上げていった。
「はぁ、んんっ、ぁっ、・・もうやめ・・・っ、カ・・カシ先生、も・・・ムリ・・・あ、ふ・・・ンンっ」
今年は夜空に雲ひとつない快晴。
冬の澄んだ空気のせいで星の数も増えて月明かりも普段より明るい。
灯りを落とした筈の部屋にもそれは降り注ぎ、淫らに重なり合うふたりを照らした。
「アアッ、」
重なり合う身体、絡む指先。
舌が絡まり合う度にジン、と甘く痺れを起こす頭。
ギシ、とベッドが小さく軋み、身体の奥深くで繋がる箇所が全身へと一気に快楽を広げていった。
──ゴーン・・・
除夜の鐘の音も途切れ途切れ遠く聞こえる。
「ハァ、ンァっ・・」
快楽と蕩けそうに浮かされた熱をそのままにカカシを見上げれば、カカシもまた熱を帯びた眼差しでひどく艶めいた笑みをこぼす。
「ナルト・・・」
──トクリ、
甘く囁くように名を呼ばれ、今日何度目かの胸の高鳴りを憶える。
今日が初めての夜ではないのに、今日が初めての年越しでもないのに、会う度にもっと好きになる。
会う度に恋をして
会えない夜は恋焦がれ
名を呼ばれれば胸が高鳴り
触れられてその熱で溶かされる
「はぁ、んっ・・・カカシ先生、オレ、もう・・・ぅあっ」
「もう、何?」
「んッ・・・ぁっ」
繋がった箇所が卑猥な水音をたてて、カカシの昂りが悪戯にナルトの快楽のツボを弄り、ナルトの上体が綺麗に仰け反った。
──ゴーン・・・
神社ではいまだに除夜の鐘が鳴り続けてはいるものの、もはやふたりの耳には届いてはいなかった。
HAPPY NEW YEAR
2017.1.1