東方怠惰談〜幻想入り〜

□忌識「僥倖に差す陽光」
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〜〜〜紅魔館〜個室〜〜〜





俺は紅魔館に居候する許しを得た。



仕事とかの面接に合格するよりも、よっぽど嬉しい事のように思えた。



……面接なんてしたこと無いけどな。



レミリア
「……でもまだ怪我してるし、しばらくは安静にして紅魔館の生活に慣れるといいわ



公真
「だ、大丈夫ですよ、この程度の怪我なら」



右腕で力瘤(ちからこぶ)を作って見せる。



ブシャッ



公真
「ぐぉお!? 傷口から血が!?」



レミリア
「……ほら、まだ無理しちゃ駄目」



公真
「……はい」



レミリア
「そうねぇ、紅魔館の詳しい事は咲夜に聞いて。それとこの部屋も公真が好きに使っていいから」



公真
「え……いいんですか?」



レミリア
「部屋は無駄に余ってるしね。……じゃ私は寝るわ。紅茶の話はまた今度するわね咲夜」



咲夜
「あ……はい、お休みなさいませ」



ガチャ……バタン



レミィ様が部屋から出ていかれた。



咲夜
「それにしても、まさか公真がうちの雑用なんてね」



公真
「……変ですか?」



咲夜
「天狗の新聞では宮司呼ばわりされていたのにと思うと、なんだか不思議でね」



公真
「一応言っときますけど……俺は宮司なんかじゃありません」



咲夜
「わかってるわよ。それより……」



公真
「どうかしましたか?」



咲夜
「今あなたが来てる服、随分ボロボロだけど大丈夫?」



今『あんた』ではなく『あなた』と呼ばれた……。印象が良くなったのだろうか。



公真
「えぇ、そのうち自分で繕いますよ」



咲夜
「あらそう。一応着替えも用意しといたんだけど……使う?」



公真
「こ、これは……」



咲夜さんが俺に渡した衣服、それは葬式とかで遺体が身に纏う死装束だった。

 
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