東方怠惰談〜幻想入り〜

□錯符「命と興の反比例」
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〜〜〜香霖堂〜〜〜





結局あのチルノとかいう妖精は放っておいて、俺は約三十分かけて香霖堂に戻って来た。



公真
「ちわっす」



霖之助
「あぁ君か。一晩経っても戻って来なかったから食べられたのかと……心配したよ」



公真
「心配するくらいなら最初から行かせないで下さいよ……」



霖之助
「どうだい、隠れ蓑は役に立っただろう?」



公真
「えぇ、おかげ様で殺されかけましたよ」



霖之助
「ほら、苦労は買ってでも……」



公真
「したくないですねぇ」



霖之助
「はは、ほら、これが駄賃だ」



公真
「……はぁ、どうも」



よくわからん通貨を渡される。



もしや『〜貫文』とか『〜銭』とかそんな感じの通貨だろうか。



公真
「あの、よく価値がわからんのですが……」



霖之助
「とりあえずそれで宿三日分と酒が十升くらいは買えるんじゃないかな?」



公真
「……それって店的に割に合わないんじゃ?」



霖之助
「なぁに、香霖堂の品の仕入れはタダ(拾ってくる)だからね。構わないさ」



その辺の草や石を出荷して利潤を得る牧場物語の主人公みたいなものだろうか。



霖之助
「とりあえず、これからどうするんだい?」



公真
「そういえば俺、元の世界に帰る方法を探す為に人間の里に向かってたんですよ」



霖之助
「そしたら道に迷って無縁塚で僕と出会った……か」



公真
「はい」



霖之助
「外の世界に帰るのなら博麗神社の方が……」



公真
「え?」



霖之助
「あぁいや、人間の里はここから東だ。頑張れ」



公真
「あぁ……じゃ行きます」



なんとか神社がどうのこうの気になったが、とりあえず俺は香霖堂を出た。

 
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