邪悪な鎖の罠
□Retrace:T
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カツン カツン カツッ
ある屋敷の裏庭に、二十歳くらいの女性がいた。
目を細め、懐かしそうに庭を見渡す。
金髪に近い茶髪で腰辺りまである髪に、右目を前髪で隠してあり全く見えない。左目の色は赤でとても綺麗だ。
今日は四大公爵家の一つ、ベザリウス家の次期当主 オズ=ベザリウスの成人の儀。
女性は次期当主 オズ=ベザリウスに会いに来たらしいが、自然に足が裏庭へ行ったらしい。
嗚呼そうだ。探さなくては。
裏庭から目を離し、後ろを向くと自分が会いたかった人物が直ぐ目の前にいた。
「あれ?やっぱりアイリさんだ。」
『オズ!良かった会えて。今日はお前の成人の儀だろう?・・・おめでとう。』
オズはニコニコと笑いながら近寄ってきた。
かと思えば、今日必ず一緒に行動しなくてはいけない人とは一緒じゃないの?と聞かれた。
この前来て言った言葉を覚えているとは…。
『私は単独行動が多いからね。今はこっそり脱け出してきたのさ!オズに会いにね。』
オズは照れたような顔をしたあと、自分が持ってた鞄を見つめ ああ!そうだった! と声を出し、鞄の中に入ってた服をギルバードに押し付けた。