企画いら
□仲沢
1ページ/1ページ
「ニ―チャンおかえりー」
「ただいま〜夕菜」
そう言って俺の帰りを出迎えてくれる妹、夕菜。ああもうホント可愛い。高校生にもなると家の人が出迎えてくれることなんてこれっぽっちもない。(寂しいわけじゃないけども)
あ、コレ準サンに言ったら「ガキだな」とか言われそうだ。
夕菜の出迎えがいつも楽しみだった。
俺の、小さな夜の楽しみ。
夕飯の前に、まず夕菜。こーやって夕菜をぎゅーって抱きしめてやっとご飯にありつく。それが日常。
「きょーは何したの?」
「んとねー、今日は準サンと投球練習!んで球打ったり、拾ったり」
「おにーちゃんの話、じゅんさんばっかだよね」
「…そ?あ、まあバッテリーだからでしょ」
「あたし会ってみたいなー」
Σ「ええ」
夕菜はキラキラした目で言う。なんかマズイ。これは準サンに憧れてるフシがある。まあ俺が準サンの話しかしなかったワケだけども。
でも「慎吾さん、会いたいなー」なんてそれこそゴメンだ。そっちのが100倍会わせたくない。
夕菜はずっと、俺が守る。
「おにーちゃん?」
「…あ、どしたー?」
「きょーはお母さんの肉じゃがだよっ」
「そっかァ!楽しみ!」
「うん!」
えへへと笑う夕菜を抱いて、また感触を味わう。
気持ち良い。はあ…、夕菜すき…。
なんて想いを噛みしめながら、また一日が終わる。
***
ガチャッーーー
「た〜だいま〜…」
疲れたあ。タケさんもっと優しくしてよお…
今日は生憎の雨。だが練習をやらないワケにはいかない。ということで、屋内だから一層厳しくなるわけで。グラウンド使えない分、練習メニューも増えるわけで。
「はあ…」
タケさんへの愚痴を葬りながら、靴をぬぎ…
さて、今日の夕菜…
シーン
「…あれ…」
いつもは真っ先にとてとてとやって来る夕菜がいない。っていうか、来ない。…こんな事あっただろうか。 過去例を探してみる。
「〜〜〜…」
俺のアタマではよくわからなかった。普段から使っていないからだろうか。だから準サンに「阿保」と言われるのか。
…それは今関係ない。そして一人でリビングへの道を行く。何故か速まる足。
いつもは隣に夕菜が居たのに。隣をキープして頑張って歩く姿が可愛らしかった。
それか俺が抱っこしてるか。どちらにしよ、夕菜は俺の近くに居たんだ。
いつだって、居た。
"ガチャ!!"
「ハーッ、ハーッ、……って夕菜!?ニ―チャン?!!」
「よー利央」
「おにーちゃんおかえりー」
なんと兄の呂佳が夕菜を占領、いや独占していた。(言い方悪いけど
いつもの笑顔でこちらに駆け寄ってくる夕菜。その姿に安心し、俺は何故か脱力し、膝から床に落ちた。
「なんだァ… はー疲れた…」
「にーちゃんどしたの?」
「なんでもないよ夕菜−」
夕菜を膝の上に置き、ぎゅうっと力いっぱい抱きしめる。顔が自然に緩む。ああ。やっぱ夕菜だ。もう癒しすぎる。
「りーおーうー」
「何にーちゃん」
「…夕菜…な、」
「?」
「お前だけのモンじゃねーから」
「は…」
ライバルも近くに
(次帰ってきた時はどーしよっかなー
独占するだけじゃつまんねえかも)
**************
利央の口調がわからないorz
呂佳さんもきっとロリコn((
20100928黒木