寒い寒い季節が訪れた。
まだ秋頃だと言うのに各地で大雪や10度近くまで気温が下がるという異常気象の今年。
そんな私も寒さに苦しんでいた。


「さーむーいー!!」

「激ダサ。」

「むーっ!さっきまで約束忘れてテニスしてた馬鹿には分からないんだよっ」

「忘れてねぇ!ただお前が遅いから暇つぶししてただけじゃねぇかよ」


そう亮の部活がない今日は学校が終わり次第一緒に帰ろうと約束をしていたのだが、亮のダブルスパートナーであり後輩である鳳長太郎くんとさっきまで約束を忘れてテニスをしていたのである。
だけれど約束忘れるってどういうことだよって思いませんか?


「悪かったよ・・・〜!!」


亮は私の手を取り自分の手を重ね、そしてゆっくり指と指を重ね合わせた。
いわゆる恋人繋ぎというやつで私の顔は真っ赤に染まる。


「お前が寒そうだったからだ」


そういう亮の顔も真っ赤に染まっていた。
繋いだ手はあったかくて、私はそっと握りかえした。


end






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